山口大学医学部附属病院|再開発整備事業

ボイス

20年後、30年後へ大学病院はどうあるべきかみんなで未来を考えたい 副病院長 鶴田良介

新たな街づくりの起点に

 工事の進捗を確認するたび、「いよいよ形になってきた」と実感しています。新病棟の完成で、まず変わるのが街の景観です。点から線へ、面へ…と波及効果が生まれ、地域の活性化にもつながればと願っています。

 また、新たな公共スペースも生まれます。たとえば熱中症の季節にはお気軽に休憩スペースのあるガレリアで涼んでいただく、災害時には臨時治療スペースとして活用する大講義室(オーディトリアム)を、日常時は講演会やセミナー等に広くご利用いただけるのもまもなくです。

新たな街づくりの起点に
新たな街づくりの起点に
 

最後の砦としての再整備

最後の砦としての再整備

 本院の使命の一つである、救急医療も強化します。全国の大学病院の中でも、本院は積極的に地域の救急医療を担ってきました。

 フロアの集約化、最重症の患者を診るICUの拡大(10床から20床へ)、手術室の拡大、屋上ヘリポートの設置と『ダイレクトパス』による移動短縮とプライバシー確保の実現で、これまで以上に期待に応える最先端の環境が実現します。

 

「機能分化」と「集約化」

 地域の皆様に大変ご協力をいただいておりますドクターヘリについては、平成28年度(2016年度)の出動件数は312件(出動率94%)でした。全国と比較して山口県の特徴は『現場出動より病院間搬送の割合が多い』点です。

 これは「引き受けて下さる病院がある」つまり、県内の救急医療体制が整っている証拠です。それだけに本院は、地域連携のもとに、なるべく最重症の患者を集約する方向へ特化して、将来に渡って山口県全体の救急医療の質の保持に貢献していきたいと考えています。

「機能分化」と「集約化」
 

チーム山口として連携を

チーム山口として連携を

 もうひとつ、20年先、30年先を見据えたとき、「すべてに関与していく」ことも本院の使命だと思います。大学病院として、研究・教育機関であると同時に、医師も看護師も県内で一番多い病院ですから、地域医療の中核になることが必要です。

 高齢者医療では、訪問診療の拠点である医師会の先生方との連携が欠かせません。 地域の医療構想・高齢化を見据え、みんなで、将来を描いてゆけたらと心から願っています。

 

「空間」としての改善点

 そのためにも、院内としては、診療・教育・研究の3つをバランスよく実施する「空間」、患者さん、そのご家族・ご友人、職員がみんな快適に過ごせる「空間」を再整備で整えます。

 それぞれの立場で「そっとしてほしい空間」、入院患者さんはもちろん、研修医や当直など院内で長く過ごす方の「生活空間」「社会的空間」という意味でのアメニティを色々と充実させています。不便を感じることなく、むしろ心地よいと感じられる空間を実現します。

「空間」としての改善点
 

想いをひとつにこの先へ

 現在は、最終形に向けて、細かな調整を進めているところです。私たちがつくっているのは「建物」ではなく「病院」で す。職員みんなで、まめに情報を共有しながら、どんな病院にしていくかというイメージを共有しながら意見を出し合い、最良の形へ導いていけたらと考えてい ます。

 病院経営の観点から見ても、2018年の診療報酬改定、2025年の地域医療構想に向けて、今回の再整備は実にタイムリーといえます。これまでの病院執行部の『先見の明』の賜物を受け継ぎ、未来へと確かにつないでいけるよう、引き続き尽力してまいります。

想いをひとつにこの先へ
 

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