そもそもは、耐震補強の問題が浮上したことが、今回の再整備計画のきっかけでした。当初は改築を検討していたのですが、見積もると仮設病棟の 建設だけで数億円、引っ越しの費用も含めると相当額が必要と分かり、「新しく建ててはどうか」と声が上がったのです。前回の整備から20年以上が経過し、 診療においても、教育においても随分と変化しているのに対して、「今の医療に見合う施設を」というニーズもありました。
そこへ、幸いにも当時、新設を含む全国の大学病院の再整備が終わって、「次の1番目」となれる可能性が出てきたこと、経営が順調に推移してい ることが、追い風となりました。「単なる耐震補強でなく、次の飛躍のために投資しよう」「今やらなければ、遅れてしまう」と一致団結して、事務方や大学本 部とも、慎重な上にも慎重に、綿密な財政計画を立ててスタートしたのです。