予想困難な病院機能の変化に対して「今できる最大限の対応をいかに考慮するか」「長期に渡る病院全体の機能更新をいかにバランスよく実行する か」が今回の再整備計画で重要でした。院内外のさまざまな方々にご協力をいただいて協議・検討を重ね、変化に長期的かつ柔軟に対応できる施設づくりを目指 しました。
診療面で力を入れたのは、急性期病院としての機能充実です。手術室、ICU、総合周産期母子医療センターのキャパシティを大きくすることで治療速度が大幅に向上する予定です。 特に手術室の拡充は、全診療科の希望でした。現在、朝8時半から稼働して夜8時の時点でも2室から3室が稼働する状態ですが、それでも多くの患者さんをお待たせしています。 12室から16室へ増室し、さらに将来スペース(2室)を整備することで、近隣病院からの受け入れもスムーズに対応したいと考えています。
また、がん医療も充実します。山口県はがん死亡率が全国的に高く(全国5位)、対応が課題です。本院ではがん診療連携拠点病院として、山口県 と連携してがん登録など社会的なデータの収集にも取り組んできました。今回の再整備で、手術だけでなく、放射線治療や化学療法を含む集学的治療がさらに充 実する予定です。
さらに、一部機能を新病棟へ移すことで、外来機能も大きく向上すると期待しています。 教育・研修や臨床研究においても、整備に力を入れて、それに伴うソフトも強化します。 医療人育成センターでは2014年(平成26年)秋に専属の教授をお迎えしてキャリア形成支援や地域医療支援を充実させ、研究部門では特許・知財関係の研究を支えるセンターに、人的にも充実しつつある再生医療(肝臓再生・血管再生等)が入り、発展に尽力します。