本院は、1944年(昭和19年)に設立されて以来、山口県の中核病院として、患者さんの立場を常に第一に考え、地域とともに歴史を歩んでま いりました。2014年(平成26年)現在、全ベッド数736床、26診療科と23の診療部を擁し、あらゆる分野の疾患を総合的に診療する県内で唯一の特 定機能病院として1日当たり外来で約1,300人、入院で約640人の患者さんを受け入れ、年間約6,500例の手術を提供しています。
また、国立大学病院で最初に設置された「高度救命救急センター」においては、毎年1,000例以上の高次救急患者さんの診療にあたっており、 宇部市と提携しているドクターカーや2011年(平成23年)より運航を開始したドクターヘリの基地病院として、全県下・他県からの重症患者さんの治療に 対応しています。
さらに、本院はがん診療や肝疾患診療、総合周産期医療の拠点病院として指定を受け、地域の高度医療を充実するとともに、次代を担う医療人の育成や世界へ発信する先進医療の開発と実践を推進する使命を担っています。
しかし、昨今、山口県内の急速な少子高齢化(65歳以降の老齢人口割合が全国4位)に伴う患者数・手術件数の増加や高度医療のニーズに対応し た最新型機器の導入でスペースの狭隘化が進み、さまざまな社会的要請や療養環境に対する患者さんのニーズも重なり、その対応が重大な課題として浮上しまし た。資金面等で手続き上のスタートラインに着くことができずにいましたが、2009年(平成21年)からの準備期間を経て、ようやく本格的に動き始めたと いうのが今回の国立大学病院としては初となる、2回目の再整備計画の経緯です。